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外国人技能実習生が失踪!その理由と企業リスク|取るべき対応を解説

概要 / overview
外国人技能実習生の失踪は、企業の信用問題に発展するだけでなく、実習実施者認定の取り消しを受けることにもなりかねません。
また「失踪したから解雇すれば良い」という問題でもありません。
間違った対応をすれば法律違反になり、罰金や懲役などを科されるリスクがあります。
この記事では、外国人技能実習生が失踪する理由や企業が取るべき対応などを解説します。
見つからない場合の相談先もご紹介しているので、ぜひご覧ください。
目次

外国人技能実習生失踪の実態

空になった部屋

外国人技能実習生の失踪は年々深刻化しており、2023年に失踪した外国人技能実習生は過去最多の9,753人です。

技能実習生の失踪者数の推移

※出典:主入国在留管理庁|国籍別の失踪者数(令和元年~令和5年)
「年間で数千人もの外国人技能実習生が失踪する」、これは単なる偶然では片付けられない事態であり、社会全体の問題であると言えるでしょう。

外国人技能実習生が失踪する主な理由

OVER WORKの文字

ここでは、外国人技能実習生が失踪する主な理由を解説します。

①過酷な労働環境からの逃避

外国人技能実習生が失踪を選択する主な理由の一つは、過酷な労働環境から逃げるためです。
例えば、1日8時間を超えて残業してもらう場合は、その時間に対して労働基準法で定められた残業代を支払うのが日本のルールです。(※1)
しかし、残念なことに正当な残業代を支払わずに長時間労働を強いる企業があります。(※2)
このような悪質な企業と契約した外国人技能実習生は、過酷な労働環境に耐えられなくなり失踪してしまうのです。
また、建設機械施工やとびなど体力を必要とする建設関係の職業に就いた外国人技能実習生が、その過酷さに耐えられず失踪するケースもあります(※3)

※参考:e-GOV法令検索|労働基準法第37条(※1)
法務局|技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム|調査・検討結果報告書(※2)
法務局|技能実習生の失踪者の状況(推移)9,976人(※3)

②より高い賃金と悪質ブローカーの存在

母国への仕送りで手元にほとんど生活費が残らない、来日時に背負った借金の返済のめどがたたないなど、金銭的な理由から失踪する外国人技能実習生もいます。
「今より高い給与をもらえれば、少しはぜいたくな生活ができたり借金完済の予定が早まったりする」と、考える外国人技能実習生も少なくありません。
この心の隙間に入り込み、失踪を手助けするのが悪質ブローカーです。
悪質ブローカーは、SNSなどを通じて「今より稼げる仕事がある」と、外国人技能実習生に誘いのメッセージを送ります。
もちろん、紹介されるのは違法な仕事であり、失踪を手助けする悪質ブローカーが仕掛けたワナです。
しかし「より高い給与がほしい」と考える外国人技能実習生は、それが違法かもしれないと疑いつつも、苦しみから逃れるためにすがりついてしまうのです。

③人間関係の悩みからの解放

職場や寮生活における人間関係の悩みも、外国人技能実習生を失踪に追い込む要因です。
例えば、言葉の壁が原因で仕事でミスをして厳しく注意されたり、文化の違いから同僚となじめず孤独感を抱いてしまったりする外国人技能実習生もいます。
人間関係の悩みは、転職すれば解決することもあります。
しかし、外国人技能実習生の転職は原則認められていません。
そのため、苦しい環境から逃げ出すために失踪してしまうのです。

外国人技能実習生の失踪が企業にもたらす3つのリスク

RISKの文字

外国人技能実習生の失踪は「従業員が一人いなくなった」では済まない深刻な問題です。
ここでは、外国人技能実習生の失踪が企業にもたらす3つのリスクをご紹介します。

①受け入れ停止や実習実施者認定取り消しなどの法的リスク

同企業から多くの外国人技能実習生が失踪している場合、新規技能実習生の受け入れ禁止・在留期間の更新停止・申請手続き停止などの処分が科される可能性があります。
また、失踪者に対して、賃金支払いの遅延や不払いの事実があった場合は30万円以下の罰金、労働基準法で定められた上限を超える残業や休日労働をさせた場合は6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることもあります。(※1)
なお、外国人技能実習生の失踪を把握していながら、外国人技能実習機構(OTIT)への報告を怠ったりいつわりの報告を行ったりした場合は、技能実習計画の認定が取り消されるため注意が必要です。(※2)
認定が取り消されると、最大5年間、新規技能実習生の受け入れができません。(※3)
外国人技能実習生の失踪で人手不足なうえに、最大5年間も新たな外国人技能実習生を受け入れられないとなれば、企業の経営は立ち行かなくなります。
事業規模の縮小、最悪の場合は倒産を余儀なくされるリスクもあります。

※参考:e-GOV法令検索|最低賃金法|第41条(※1)
労働基準法|第119条(※2)
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律|第16条・第26条2項(※3)

②助成金返還やコスト増などの金銭的リスク

企業のキャリアアップ支援や教育訓練に対して支給される助成金(人材開発支援助成金など)を受け取っていた場合、外国人技能実習生の失踪により計画が未達成となるため、支給された助成金の返還を求められるリスクがあります。
また、失踪した外国人技能実習生を採用するために監理団体(共同組合など)に支払った監理費や、公営財団法人国際人材協力機構(JITCO)に支払った紹介料なども無駄になるでしょう。
さらに、外国人技能実習生の失踪によって生じた人手不足により、新たにスタッフを採用・育成するためのコストも必要になるため、大きな経済的ダメージを受けるリスクもあります。

③企業イメージ低下などの信用的リスク

外国人技能実習生の失踪は、企業の社会的な信用を大きく損なうことにもつながります。
仮に、失踪の理由が体調不良など本人の問題であっても「外国人技能実習生が失踪した企業」という事実は、取引先や金融機関などにネガティブなイメージを与えるでしょう。
例えば、取引先や金融機関などに「労働環境に問題があるのではないか」「コンプライアンス意識が低いのではないか」などと見なされれば、信用を失い新規取引や融資の審査で不利になるリスクがあります。

外国人技能実習生が失踪した場合に企業が取るべき対応

企業

ここでは、外国人技能実習生が失踪した場合に企業が取るべき対応を解説します。

①監理団体への連絡

外国人技能実習生の失踪が少しでも疑われる場合は、ただちに監理団体へ連絡しましょう。
監理団体には、失踪で実習継続が困難になったときに外国人技能実習機構への届出を行うなど、外国人技能実習生の帰国までスムーズに対処するための措置を講じる義務があります。
監理団体と協力して、外国人技能実習生を見つけます。

企業の役割監理団体の役割
同僚への聞き取り
・最後に話したのはいつか
・どのような話をしたのか
・お金にこまっているそぶりはなかったか
・母国の家族のことで何か心配ごとを抱えていなかったか
母国の家族への連絡
・母国の送り出し機関に依頼し、送り出し機関のスタッフに本国の家族に連絡がないか確認を行う
SNSの確認
・写真や投稿に場所を示すタグが付いていないか
・写真や動画の背景に特徴的な建物や駅名などが写っていないか
・地名や場所に関する書き込みがないか
・見知らぬアカウントと頻繁にやり取りしていないか
全体的なサポートと指示
・企業が行う聞き取り調査などについて、確認すべき事項のアドバイスや指示を出す

早い段階で監理団体と協力すれば、失踪した外国人技能実習生の居場所が判明したり、戻るよう説得できたりするケースもあります。

②外国人技能実習機構への届出

監理団体と連携して対応を行っても外国人技能実習生の所在が把握できない場合は、外国人技能実習機構へ「技能実習実施困難時届出書」を提出します。(※)
「技能実習実施困難時届出書」は、技能実習の実施が困難になった状況を報告し、外国人技能実習機構に必要な指示をあおぐための重要な手続きです。
なお、外国人技能実習生の失踪を知りながら意図的に「技能実習実施困難時届出書」の提出を怠ると、技能実習法の法令違反と見なされ、技能実習計画の認定取消処分を科される可能性があります。

※参考:e-GOV法令検索|外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律|第19条

③警察への連絡

手を尽くしても失踪した外国人技能実習生の行方がわからない場合は、警察へ行方不明者届を提出します。
これは、外国人技能実習生が事件や事故、犯罪などに巻き込まれている可能性を探るためです。
企業には従業員の安全に配慮する義務があるため、失踪という事態に対して公的な対応を行う必要があります。(※)
もし、警察への届出を怠ったことで発見が遅れ最悪の事態に至った場合、労働契約法違反を理由に遺族などから損害賠償を請求されるリスクがあります。

※参考:e-GOV法令検索|労働契約法|第5条

④給与の支払い

外国人技能実習生が失踪するまでに働いた分の給与を支払います。
支払い方法は以下の2つです。

現金手渡し失踪した外国人技能実習生が給与を取りに来るまで保管する(※原則、家族への支払いはできません)
口座振り込み外国人技能実習生の口座に給与を振り込む

失踪を理由に給与を支払わないと労働基準法違反となり、30万円以下の罰金または6ヵ月以下の懲役が科されるリスクがあります。(※)

※参考:e-GOV法令検索|第119条

⑤退職手続き

就業規則で定めた期間が経過しても外国人技能実習生と連絡が取れない場合は、退職手続きを行います。
例えば、就業規則で「14日以上無断欠勤が続く場合は退職と見なす」と定めている場合は、失踪から14日経過した時点で雇用契約を終了できます。
退職手続きをしなくても法律違反にはなりません。
しかし、失踪した外国人技能実習生の社会保険料を負担し続けることになりコストがかかるので、期間が経過したら退職手続きを行うのがベストです。
なお、就業規則に「〇日以上連絡が取れない場合は退職扱いとする」などの定めがない場合、退職手続きはできません。

失踪した外国人技能実習生探しを探偵に依頼するメリット

虫眼鏡を囲んでいる人形

ここでは、失踪した外国人技能実習生探しを探偵に依頼するメリットを解説します。

事件性がなくとも捜索してくれる

失踪した外国人技能実習生の行方調査を探偵に依頼すれば、事件性がなくても捜索してもらえます。
失踪した外国人技能実習生が見つからない場合は、警察に行方不明者届を提出します。
しかし、警察が捜査を優先するのは犯罪に巻き込まれたなど、事件性の高い行方不明事案です。
外国人技能実習生本人の意思による失踪の場合、事件性が低いと見なされ積極的な捜査が難しくなります。
これは、警察が「民事不介入の原則」にもとづいて活動しているためです。
一方、探偵は依頼者のために活動する民事の専門家です。
警察が動けない領域をカバーし、問題を解決に導きます。
仮に、外国人技能実習生本人の事情による失踪であっても、依頼すれば捜索してくれます。

独自のネットワークで迅速に探し出してくれる

探偵に依頼すれば、独自のネットワークで迅速に失踪した外国人技能実習生を探し出してくれます。
失踪した外国人技能実習生の捜索は、時間との勝負です。
時間がたつほど母国へ逃亡する可能性が高くなり、探し出すのが困難になります。
探偵は外国人技能実習生が勤務していた職場や生活拠点であった寮などを訪れ、同僚や関係者などから詳しい情報を聞き出します。
また、インターネットパトロールを行い、SNSのやり取りなどを明らかにして、行方を追う手がかりとすることも可能です。
さらに、失踪した外国人技能実習生の居場所に見当がつけば、張り込みや尾行なども行います。
これらの専門的な調査は、探偵独自のネットワークがあってこそ、迅速かつ効果的に行うことができるものです。

失踪した外国人技能実習生を探すなら当事務所へ

失踪先とは

失踪した外国人技能実習生を探すなら、当事務所へご相談ください。
監理団体と協力しても情報がつかめない、警察へ届けても事件性がないなどの場合、失踪した外国人技能実習生を見つけるのは困難です。
ベトナムやインドネシアなど海外の捜索に強い当事務所であれば、失踪した外国人技能実習生の居場所がつかめるかもしれません。
また、探偵に海外調査や外国人調査を依頼する場合、日本人スタッフを対象国へ派遣し調査を行うため高額な費用が必要になる場合がほとんどです。
当事務所は海外に支社があり、現地のスタッフで対応可能なため、他よりリーズナブルな料金で調査できます。
外国人技能実習生の失踪は、経営の傾きや信用の損失など企業に大きな影響を与えるため、迅速な対応が求められます。
外国人技能実習生の失踪にお困りの方は、ぜひご相談ください。

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