
その恋は本物?ロマンス詐欺の手口や疑わしい場合の対処法も解説
マッチングアプリや出会い系サイトなどで出会った相手に、金銭をだまし取られたという人も多いです。
素敵な出会いを求めているだけなのに、詐欺被害にあってしまっては元も子もありません。
そこで、この記事ではロマンス詐欺の手口や被害の実態、見分け方などをご紹介します。
その恋が本物かどうか見極めて幸せになるために、ぜひ参考にしてください。
ロマンス詐欺とは

ロマンス詐欺とは、マッチングアプリやSNSなどのオンライン上で、恋愛感情を悪用して相手を丸め込み、金銭をだまし取る特殊詐欺の一種です。
相手の「好き」という気持ちや「寂しい」といった孤独感につけ込み、心のつながりを悪用するのが特徴の詐欺です。
例えば、海外で暮らすエリート医師や紛争地域にいる軍人など、簡単には会えないけれど魅力的な人になりすまし、ターゲットに特別な感情を抱かせた後に金銭を要求します。
ロマンス詐欺は、深い信頼関係を土台にして行われるため、だまされていることに気づきにくい非常に悪質な犯罪だと言えます。
ロマンス詐欺の主な手口

ロマンス詐欺の主な手口は、以下の2つです。
- 投資話で金銭をだまし取る
- 不幸話で金銭をだまし取る
それぞれ解説します。
①投資話で金銭をだまし取る
一つ目は、恋愛感情を利用して、うその投資話で金銭をだまし取る手口です。
例えば、マッチングアプリで魅力的なプロフィール写真の異性から「ぼくの好みのタイプです」「君のような美しい人に会ったのは初めてです」など、親近感を持たせるようなメッセージが届きます。
そして「もっと仲良くなりたい」と言葉巧みに、LINEなどの外部ツールに誘導され、毎日のように「君のことを考えている」「いつか結婚しよう」などと甘い言葉が送られてくるのです。
あなたが完全に心を許したタイミングで「君との未来のために暗号資産で資産を増やしたい。ぼくも登録したから君もこのサイトに登録して」と、まるで二人の未来のための投資であるかのように錯覚させ、うその投資話を持ちかけてきます。
しかし、いざ出金しようとすると「税金や手数料を払う必要がある」などと理由をつけてさらに金銭を要求され、最終的に相手とは一切、連絡が取れなくなります。
これが、投資話で金銭をだまし取るロマンス詐欺の手口です。
②不幸話で金銭をだまし取る
二つ目は、恋愛感情に加えて「助けてあげたい」という同情心に訴えかけ、うその不幸話で金銭をだまし取る手口です。
こちらの手口も、始まりはマッチングアプリや出会い系サイトなどです。
あなたとの信頼関係が十分に深まったタイミングで、突然「両親が事故で重傷を負い、緊急手術が必要になった」「事業に失敗し、今すぐお金を払わないと自己破産してしまう」などと、緊急性が高く同情を誘うような話を打ち明けられます。
そして「君しか頼れる人がいない」「今を乗り越えれば、すぐに結婚できる」などと訴えかけ、助けざる終えない心理や断りにくい状況に追い込んできます。
もちろん、お金を振り込んでも不幸が解決することはなく、次々と新たなトラブルが発生し全財産が尽きるまで金銭を要求されて、最終的には連絡が取れなくなるのがオチです。
これが、不幸話で金銭をだまし取るロマンス詐欺の手口です。
ロマンス詐欺被害の実態

ロマンス詐欺被害は令和6年の1年間で、被害件数3,784件、被害総額は約397億円にのぼります。

※出典:SNS型投資・SNS型ロマンス詐欺の被害発生状況(R5.1~R6.12)|警察庁
これは、1日に10件以上、1億を超える被害が毎日発生している計算です。
また、被害者の性別は男性が半数以上で、年齢は50代や60代に集中しています。

※出典:SNS型投資・SNS型ロマンス詐欺の被害発生状況(R5.1~R6.12)|警察庁
詐欺師は、ある程度貯金があると推測される男性をターゲットにする傾向があるようです。
ただし、画像のとおり50代や60代の女性もターゲットにされやすいため、性別問わずロマンス詐欺の見分け方をしっかり把握する必要があります。
ロマンス詐欺の事例

ここでは、ロマンス詐欺の実例を3つご紹介します。
①マッチングアプリで知り合った女性に3,300万円だまし取られる
まずは、マッチングアプリで知り合った女性に、インターネットショップの運営を持ちかけられたロマンス詐欺の事例をご紹介します。
Aさんは某マッチングアプリでBさんという女性と知り合い、SNSでやり取りをするうちにBさんに好意を寄せるようになりました。 すると、Bさんから「費用はかからないので、インターネットショップの運営でお金を稼ぎませんか」と、勧誘されます。 Bさんに好意を寄せていたAさんは、この話を信用しました。 しかし、実際には商品の仕入れ費用や出金時に必要な保証金などを要求され、結果的に約3,300万円だまし取られました。(※1) |
このケースでは、最初にBさんが「費用はかからない」と言ったにもかかわらず、後から商品の仕入れ費用や保証金といった名目でお金を要求しています。
冷静に考えれば、話のつじつまがあっておらず、詐欺の可能性が高いと気づくでしょう。
しかし、人は恋愛感情を抱くと相手を疑うことが難しくなり、多少不合理な点があっても「この人が、うそをつくはずがない」と、信じ込もうとする心理が働きます。
つまり、AさんはBさんに恋愛感情や認知バイアスを利用され、詐欺に気づけなかったのです。
②SNSで友だち申請された女性に300万円だまし取られる
次に、SNSで友だち申請された女性に投資を持ちかけられた、ロマンス詐欺の事例を解説します。
CさんのSNSに突然、見知らぬ女性Dさんから友だち申請が届きます。 CさんはDさんとSNSでやり取りしているうちに、恋愛感情を抱くようになりました。 すると、Dさんから「二人の将来のために投資でお金をためたい」と、投資を持ちかけられたのです。 話を信用したCさんは投資アプリをインストールし、Dさんが指定する口座にお金を振り込み最終的に300万円だまし取られました。(※2) |
こちらのケースでは「二人の将来のために」という言葉で、投資を恋愛の延長線上にある共同作業かのように錯覚させています。
客観的に見れば、SNSで知り合った相手に投資をすすめられるのは、おかしいとわかるはずです。
しかし、Cさんにとってこの投資は単なる資産運用ではなく、Dさんとの幸せな未来を実現するための活動になっています。
「この投資が成功すれば、Dさんと幸せになれる」という期待が、金銭的な警戒心を鈍らせてしまったのです。
人は利益だけを提示されると警戒しますが、好きな人との幸せな未来という感情的な価値を提示されると、そのためのリスクを過小評価してしまう傾向があります。
Cさんがだまされたのは、Dさんによって投資の失敗リスクよりも二人の輝かしい未来が大きく見えるよう、心理的に誘導されたからだと言えるでしょう。
③SNSで結婚の約束をした男性に500万円だまし取られる
最後は、SNSで結婚の約束をした男性に、緊急事態をでっち上げられたロマンス詐欺の事例です。
イギリスに住んでいる韓国人と名乗る男性Fさんと、SNSで知り合ったEさん。 SNSでやり取りをし、一度も会わないまま結婚を約束します。 しかし、Fさんから「仕事で必要なお金を立て替えてほしい、支払わないと契約違反で刑務所に入ることになる」との連絡が……。 結婚を約束するほどFさんを信じていたEさんは、指定された口座に複数回入金してしまい最終的に約500万円だまし取られました。(※3) |
こちらのケースは「相手を救わなければ」という、強い義務感と恐怖心を利用しています。
「契約違反で刑務所に入ることになる」と言われれば、婚約者の自分が救わなければと、正義感や使命感に支配されてしまうでしょう。
「愛する人が犯罪者になってしまう」という恐怖心は、事実関係を確認したり誰かに相談したりといった冷静な行動を不可能にします。
これは、善意や愛情が深ければ深いほど、より強く作用する心理的なワナです。
※参考:SNSロマンス詐欺|最新の詐欺|警察庁|(※1・2・3)
ロマンス詐欺の見分け方

マッチングアプリやSNSなどで知り合った相手に金銭を要求されたら、ロマンス詐欺を疑うべきですが、金銭要求以外にも詐欺かどうか見分けるサインがあります。
ここでは、ロマンス詐欺の見分け方をご紹介します。
①出会ってすぐに結婚話を持ちかけてくる
出会って間もないにもかかわらず、すぐに結婚の話を持ちかけられたらロマンス詐欺を疑いましょう。
これは「結婚」という言葉を使い「特別な関係である」と錯覚させることで、手早く信頼関係を築こうとする典型的なロマンス詐欺の手口です。
通常の恋愛は、時間をかけてお互いを理解し少しずつ進展するものですが、詐欺師はうそがバレる前にお金をだまし取りたいため時間がありません。
例えば、マッチングアプリで数回メッセージをやり取りしただけで「君との結婚を考えている」「あなたとの子どもがほしい」といった言葉を頻繁に投げかけてくる場合、ロマンス詐欺である可能性が高いでしょう。
②関係が浅いのに猛烈なアプローチをしてくる
関係が浅いのにもかかわらず、猛烈なアピールをしてくる場合もロマンス詐欺を疑いましょう。
これは「ラブ・ボミング」(愛の爆撃)と呼ばれる、心理的な操作テクニックです。
過剰な愛情表現でターゲットを混乱させ、正常な判断能力を奪うことを目的としています。
「あなたのような美しい女性に初めて出会った」「一日中、あなたのことが頭から離れない」など、知り合ってからの期間とは不釣り合いなほど、大げさな愛情表現が続く場合は、純粋な好意ではなく詐欺の可能性が高いと考えてください。
③顔を見せるのを嫌がる
長期間やり取りをしているのに、何かと理由をつけて直接会うのを嫌がったりビデオ通話を避けたりする場合も、ロマンス詐欺の可能性が高いと言えます。
関係が深まっているにもかかわらず顔を見せられないのは、プロフィール写真とはまったくの別人であり、詐欺がバレるリスクを恐れているからです。
仮に会う約束をしても「急な出張が入った」と、トラブルを口実に約束を破ります。
ビデオ通話の約束をしても「カメラの調子が悪い」と、アバターで顔を隠すでしょう。
詐欺師は決してターゲットに顔を見せません。
④海外にいるアピールをしてくる
医師やエリートビジネスパーソンなど、社会的地位の高い職業を名乗り、海外で暮らしているとアピールしてくる場合もロマンス詐欺の可能性があるでしょう。
海外で暮らしていると言えば、会えなくても違和感を与えず、会えないほど忙しく魅力的な人であると思わせる効果があります。
さらに、帰国するための費用や海外でのトラブル解決金など、将来的に金銭を要求するための伏線にもなります。
高収入だと思わせる魅力的な経歴や海外での生活は、ターゲットを信用させるための舞台設定にすぎません。
⑤プロフィール写真が魅力的すぎる
プロフィール写真がモデルや俳優のように美男美女で、魅力的すぎる場合もロマンス詐欺の疑いがあります。
詐欺師は、他人のSNSから魅力的に見える写真を無断で盗用したり、自分の顔をアプリで加工しまったくの別人になりすましたりしている場合がほとんどだからです。
プロフィール写真が魅力的すぎる、背景がキレイすぎるなどの違和感を覚えたら、ロマンス詐欺の可能性を疑いましょう。
ロマンス詐欺が疑われるときにすべきこと

ここでは、ロマンス詐欺が疑われるときにすべきことを解説します。
①証拠を集める
ロマンス詐欺かもしれないと思ったら、警察に相談する前にこれまでのやり取りをすべて証拠として集めてください。
詐欺師は、うそがバレそうになるとすべてのやり取りを消し、ターゲットとの接点を断ち切ろうとします。
SNSアカウントやメッセージのやり取りなどが消されてしまうと、被害を証明する証拠が失われてしまいます。
証拠がなければ、警察も動くことができません。
以下の情報をスクリーンショットで撮影し、保存しておくのがおすすめです。
- 相手のプロフィール画面(名前やID、顔写真など)
- これまでのメッセージやメールの全履歴
- 送金を指示されたときの文章や振込先の口座情報
- 金銭の振込がわかる利用明細や取引画面
少しでもおかしいと感じたら、素早くこれらの証拠を残してください。
②カードの利用を停止する
もし、詐欺師にクレジットカードの情報を教えてしまったり案内されたサイトでカード決済をしてしまったりした場合は、直ちにカード会社に連絡しカードの利用を停止しましょう。
カード情報が悪用され、身の覚えのない請求をされたり情報が転売されたりするのを防ぐためです。
カードの裏面に記載されているサポートデスクに電話し「詐欺の可能性がある相手にカード情報が漏れたかもしれない」と伝えれば、担当者が利用停止とカード再発行の手続きを案内してくれます。
情報漏えいが絡んでいる場合は、証拠を集めるよりも先にカードの利用を停止してください。
③警察に連絡する
ロマンス詐欺が疑われる場合は、警察に連絡しましょう。
ロマンス詐欺は刑法に触れる悪質な詐欺罪です。
返金が難しい場合でも被害届を出すことで、詐欺師の口座を凍結できる可能性や、同様の被害が拡大するのを防ぐことにつながります。
警察庁総合相談センター「#9110」に連絡すれば、スタッフが内容に応じて専門の相談窓口へ引き継いでくれます。
※参考|刑法第二百四十六条|e-GOV法令検索
相談ホットLINEのご案内|警察庁
警察では難しい?探偵だからこそできるロマンス詐欺の証拠調査

警察への連絡はロマンス詐欺の被害を解決するための基本ですが、事件性や証拠が不十分だと本格的な捜査が難しい場合もあります。
特に、ロマンス詐欺では詐欺師が海外在住である場合が多く、警察の捜査が長期化したり困難を極めたりするケースも少なくありません。
探偵であれば、詐欺師が海外在住であっても証拠を収集できます。
ここでは、探偵だからこそできるロマンス詐欺の証拠調査について解説します。
相手の職業や犯罪歴などを調査する
探偵は相手の職業や経歴、過去の犯罪歴などの情報を収集できます。
ロマンス詐欺では、詐欺師の職業が医師やエリート会社員などである場合がほとんどです。
また、詐欺を繰り返しているケースも少なくありません。
身元調査により、相手の本当の職業や経歴、過去の犯罪歴を明らかにし、情報のうそを証明します。
警察や弁護士に提出する法的な証拠を確保する
探偵は専門的な調査技術を用いて、相手のSNSアカウントの分析やIPアドレスの追跡調査などを行い、警察や弁護士に提出するための法的な証拠を確保します。
そして、集めた証拠は調査報告書にまとめて依頼者に提出します。
調査報告書には調査結果はもちろん、写真や動画、やり取りの記録なども記載されており、それらは証拠として高い価値を持つものです。
調査報告書を警察に提出すれば、事件として捜査を開始してもらえる可能性があります。
また、弁護士に提出すれば、返金請求や口座凍結など民事での法的措置の可否の判断材料になります。
ロマンス詐欺の証拠集めは当探偵事務所にお任せください

ロマンス詐欺は、恋愛感情を悪用し金銭をだまし取る立派な犯罪です。
「もしかしたら、自分もロマンス詐欺の被害にあっているかもしれない」
このような不安を抱きながらも、誰にも相談できず一人で苦しんでいませんか。
証拠がなくて、警察に相談するのをためらっていませんか。
当探偵事務所は、あなたの不安に寄り添い、真実を明らかにするお手伝いをします。
どうか一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。